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日本文化学科のブログ

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【総合型選抜試験対策! 資格課程の先生からメッセージが届きました(日本語教師編)】

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日本文化学科には、国語科教員課程、外国人に日本語や日本文化を教える日本語教師課程、さらに図書館サービスを担う専門職である司書課程が設置されています。
担当の先生たちから受験生へ向けてのアドバイスをいただきましたのでこちらのブログでもご紹介します。

今回メッセージを寄せて下さったのは、日本語教師の資格課程を担当している奥山貴之先生。奥山先生は、沖縄国際大学で留学生の日本語教育を担当しながら、多文化間コミュニケーションコースの授業や日本語教師になるための授業も担当しておられます。

学科オリジナルパンフレットにも同じ内容のアドバイスが掲載されていますが、スペースの都合でカットした部分がありましたので、こちらで改めてご紹介します。
具体的なアドバイスがいっぱいです。
エントリー・面接試験が迫っている、総合型選抜試験を受験予定の皆さんはしっかり読んで、ぜひ参考にしてくださいね。

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「日本語教師」という職業に興味がある受験生に、日本語教師になりたい動機を聞いてみると、「日本語のすばらしさを伝えたいです」と話してくれる人がいます。でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。その志望動機の中に、日本語を学ぶ人(「学習者」)の存在が含まれているでしょうか?

日本語教師は、まず学習者の「日本語を学ぶ理由」に注目します。一口に「日本語学習者」といっても、その存在は本当に多様です。日本国内だけでも、外国から両親に連れられてきた子ども、留学生、仕事で来た人など、色々な人がいます。そして、立場によって学ぶ理由は異なります。そうした学習者の「学ぶ理由」をふまえずに日本語の教育を行った場合、どうなるでしょうか。



また、「日本語のすばらしさ」という考え方は日本語教師に必要ありません。なぜなら、それはあくまで主観だからです。日本語も他の言語も様々な特徴がありますが、それをどう感じるかはその人次第ですよね。日本語教師にとって必要なのは、日本語や他の言語の客観的な特徴と相違点を把握しておくことです。それにより、日本語がどのような言語かをふまえた日本語教育ができるようになります。

日本語教育に興味がある人は、是非、学習者のことを想像しながら、どんな人たちにどんな教育を行いたいか、そして、日本語教師の社会的な役割などについて考えてみてください。

もう一つ大事なことは、日本文化学科(日文)への志望動機を語る際には、「日本語教師になりたい」ということを語るだけでは不十分です。なぜなら、資格を取得することと大学で学ぶこと、大学を卒業するためのカリキュラムは別のものだからです。
ですので、日文のカリキュラムで学べることが日本語教師の知識や技能にどう繋がるかを理解して、面接などで語ることがができないと、「日文の志望動機」にはならないんですね。

以上のことをきちんと理解しつつ、皆さんの日本語教育に関わる具体的な努力や実績をアピールしてみてください。

※奥山先生が手に持っているのは、日本語教師を目指す受験生にぜひ読んでほしい本です。
荒川洋平『日本語という外国語』講談社, 2009
温又柔『台湾生まれ 日本育ち』2018 
沖縄国際大学公開講座委員会 『ボーダレス ダイバーシティ社会を目指して』沖縄国際大学, 2021
学校の図書館や街の図書館でぜひ読んでみてくださいね。