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日本文化学科のブログ

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【司書課程のアドバンスド科目がスタートしました! テーマは「認知症の人たちにやさしい文庫づくり」】

図書館司書課程通信
日本文化学科には、専門分野で学ぶ知識を、実社会との関わりを意識しながら、学内外のさまざまな機関とつながって実践的な知を習得するためのカリキュラムとして「アドバンスド科目」を設けています。

図書館司書課程の受講生を対象として開講されている「図書館文化セミナー」もそんなアドバンスド科目の1つで、図書館学の基礎を学んだ2年生以上になると受講することができるようになっています。

今年度後期に開講されている「図書館文化セミナー」では、司書課程で学んだ知識を地域社会の中で生かすことを目指して、さまざまな実習に取り組む予定です。9月末から始まったこの授業での1つ目のテーマが、高齢者認知症対応型共同生活介護施設(グループホーム)に患者やお見舞いに来た家族、施設スタッフの皆さんに役立つ資料をそろえた文庫を設置する、という活動です。

2023年9月28日の授業では、今回のオファーをいただいた株式会社アイ・ディー・エスの職員である仲田さん(日本文化学科の図書館情報学ゼミの卒業生)と、神奈川県にある事務所をZoomでつないで、学生たちの質問に答えていただく形で、認知症とはなにか、グループホームとはどのようなものか、そして今回の文庫づくりに向けての要望など、さまざまなお話をお伺いしました。



学生たちの多くは、図書館情報学は日々学んでいますが、高齢者福祉や介護、認知症についての専門知識はありません。しかし、超高齢化社会を迎えている日本では、高齢はの2人に1人が認知症になるという状況をふまえると、今後、認知症患者にどのような資料・サービスを提供するべきか、ということは、公共図書館にとって非常に大きな課題になると考えられます。

今回のレクチャーを通して、認知症の症状について、初期・中期・後期に分けて詳しく教えていただき、自分たちがもっていたイメージとの違いを理解したり、「回想法」という薬を使わない治療法が注目されていること、回想法の1つとして、昔の風景や著名人の写真集などが大いに役立つこと、そこに図書館や司書の専門性を発揮できる部分が大いにあることなどを学ぶことができました。



このプロジェクトは11月末の現地(神奈川県)での文庫設置まで、資料の選択・購入・装備、文庫名の提案、コーナーレイアウトの検討など、様々な活動を進めていきます。このブログでも随時ご紹介しますのでぜひご注目ください!