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日本文化学科のブログ

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【認知症の方にやさしい文庫づくりプロジェクトーー選書プレゼンテーションを行いました!】

図書館司書課程通信
司書課程のアドバンスド科目として9月から取り組んでいる、「認知症の人にやさしい文庫づくり」プロジェクト。
認知症の方々が暮らすグループホームの中に、文庫コーナーを設置し、回想法に役立つ様々な資料(本だけでなく、道具類も)をそろえてみよう、という取り組みで、図書館司書を目指す2年生が中心になって頑張っています。

前回の授業までに、株式会社アイディーエスの仲田さんから、認知症という病気について、また、認知症の方々がクラスグループホームの様子などをレクチャーしていただきましたが、この日の授業では、「回想法」をキーワードに、学生たちが3~5人ずつのグループをつくって選んだ本やアイテムについて、Zoomを使って、神奈川県にある本社とつないで、仲田さんと上司の松枝さんにプレゼンをする、という取り組みを行いました。



今回のワークでは、大きく以下の7つのテーマに分けて、必要な資料を選んでみました。

①街並みや生活風景の写真集 
 『懐かしくて素敵!心惹かれる昭和の暮らし』『大判 カラー写真で蘇る昭和30年代東京』『秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』『1964年東京オリンピック 全記録』『缶詰ラベルコレクションMADE IN JAPAN 』
②著名な(懐かしい)タレントの本
 『石原裕次郎 日本人が最も愛した男』『昭和アイドル完全大図鑑』『永遠のミスター 長嶋茂雄の世界』『吉永小百合プロマイド写真集永遠の輝き』
③皇室の方々の写真集・特に美智子さま関係
 『美智子さまの時代』『写真集 昭和天皇』『雅子さま麗しき愛と絆』『平成の天皇皇后両陛下 30年のあゆみ』『天皇皇后両陛下 ともに歩まれた60年』
➃懐かしい風景のDVD・懐かしい音楽のCD
 『懐メロ昭和歌謡史1950〈昭和25年〉』『昭和あなたが聴きたい永遠の名曲大全集』『映画・東京オリンピック』『映画・日本万国博』『皇室の20世紀 皇后美智子様のお仕事』
⑤難しすぎないクイズの本・簡単なゲーム
 『カミキィの<か和いい>季節』『だんご屋のひまつぶし』『昭和の思い出間違い探し2』『クルリグラフ ビバリー』『塗り絵・高齢者向け: 大きい・太線・簡単 楽しい』
⑥体の運動につながるような資料・パズルなど
 『ミツカルタ』『木製テトリスパズル」『学研のパズル 日本列島』『積み木 ソフトブロック』『めいろ 5・6・7歳 ひらめき☆天才パズル』
⑦不安を忘れて楽しめる資料・前向きな気持ちになれる本
 『SMILE!動物のかわいい笑顔の写真集 きっとあなたも笑顔になる!』『70歳からのゆる~い筋トレ&ストレッチ』『まど・みちお 日本語を味わう名詩入門20』『102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびしくない生き方』『「懐かしい!」が脳を若返らせる 昭和レトロ間違い探し 全120問960個』

学生たちが選んだ資料に対して、仲田さん・松枝さんからは、「著名なタレント本のなかに長嶋茂雄さんの本が入っているのは良いと思う。野球選手だけでなくスポーツ選手も入れてみては? 力道山選手はちょっと古いので、ジャイアント馬場さんの写真集はないか?」「東京は患者さんたち世代のあこがれの街だったので、東京や銀座の古い町並みのカラー再現写真集はとてもよい。街並みだけでなく、家の中のなつかしい生活道具、ファッションなどの写真集があってもよいと思う」「積み木や立体パズルなどのおもちゃ類は楽しく遊べるものを選んでくれているが、小さい道具は誤飲の可能性があるのでサイズ感に気を付けてほしい」「記憶は視覚以外にも、聴覚から呼び起こされることもあるので、映像資料をもっと増やしてほしい、例えば、美空ひばりさんのコンサート映像などはどうか?」といった具体的なアドバイスをいただき、学生たちもとても勉強になったようです。

本日いただいたアドバイスをもとに、再度、内容を検討して本の発注を行い、11月末に学生代表10名が施設を訪問して文庫づくりを行う予定です。
来週以降は、文庫コーナーの名称の検討、キャラクターのデザイン、サインパネルの作成な度を進めていきます。引き続きご注目ください!