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日本文化学科のブログ

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【2年生による優秀レポートの報告会&授賞式が開催されました!】

研究室・ゼミナール紹介
日本文化学科では、2年生必修科目として前期に開講されている「アカデミック・ライティング」において、3年生から本格的にスタートする卒業論文を書くためのレッスンとして、学術論文のテクニック、先行研究の調べ方・引用方法、テーマの決定方法、分析方法などを、学科ライティングセンターによるサポートも受けながら学んでいきます。そして、夏休みの課題として、日本文化学科の専門領域である文学や言語学などをテーマとする論文執筆を全員に課し、各クラスごとに優秀レポートを選出し、その報告会・授賞式を後期必修科目である「ゼミナール入門」の中で行っています。

今年度は、厳正な審査のもと4名による以下のテーマによる論文が優秀賞を受賞しました。



「絵本の中で図書館がどのように描かれているかーAIテキストマイニングを使ってー」
「夏と花火と私の死体」における、死者の語り手が作品に与える効果」
「椎名林檎の音楽性についてー彼女の魅力に迫るー」
「日本人と外国人留学生との会話で使用するジェスチャーの役割」









「絵本の中で図書館がどのように描かれているか」は、図書館を舞台とする絵本10冊のテキストをすべて入力し、AIテキストマイニングの手法を用いて形容詞を抽出、図書館のイメージが絵本の中でどのように描かれているか、を明らかにしようとしたもので、報告者が関心を持っている「図書館」「読書」「絵本」、そして言語学を組み合わせたとても意欲的なレポートです。

報告者からは「前向きな、明るい」イメージを持つ形容詞が多く使われているという報告がありましたが、AIでの頻出語の抽出は簡単な分、図書館という言葉に直接的にかかっていない形容詞も拾い出す、などの課題もあります。また、図書館のイメージを把握する上で、小さな子どもが読む絵本というメディアにどこまで有効性があるのか、語彙が少ない子どに向けた作品だからこそ率直な(わかりやすい・具体的な)イメージが描かれる一方で、図書館が持つ多様なイメージを捉えるメディアとしては不向きな面もあるかもしれません。こうした点を3年生から始まる卒業論文でどのようにとらえていくのか、さらになる課題も見えてくる報告になりました。



今後、本日の報告をふまえて、日文の先生たちの会議の中で4本の論文の中から最優秀賞が選出され、来年度の夏休み前に1年生向けのブックガイド『にちぶん 羅針盤(こんぱす)』に掲載される予定です。





「ゼミナール入門」という授業は3年生から始まる各研究室での卒業研究に向けて、研究室のテーマと学生一人ひとりのやりたいことにミスマッチが生じないように、毎週、各研究室の紹介や研究計画の立て方など、さまざまなことを学んできました。2年生のみなさん、ゼミの希望調査と選考は目前です。本日の4人の優秀賞受賞者のレポート報告を通して、研究をするということはとても楽しい、面白いことだと感じられたのではないかと思います。
研究計画書の作成、楽しみながらがんばってくださいね。