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日本文化学科のブログ

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【各研究室で卒業論文発表会が開催されています!】

琉球文化コースの取り組み
大学生にとって2月という時期は、後期の授業・試験が終わり、1年間の授業の総まとめをする時期です。
日本文化学科では、この時期に、各研究室ごとに、卒業論文を書き上げた4年生による卒業研究報告会が開催されています。

2024年2月3日には、我部大和先生が率いる、琉球文化・伝統文化継承研究室による報告会が開催され、卒業研究を書き終えた4名による発表と参加者とのディスカッションが行われました。(学科の先生方や1年生も参加してくれました!)



この日、登壇した学生たちの卒論テーマは以下の通りです。

●宮古民謡における詞章の変遷―「東里真中」・「旅栄えのあやぐ」を中心に―
●琉球舞踊における創作舞踊の継承の課題―初代・山田貞子の創作作品を中心に―
●戦後から現在までの紅型の復興と発展―重要無形文化財保持者と事業協同組合を中心に―
●戦後のエイサーにおける形成と発展―沖縄市を事例に―

当初は12時頃終了予定でしたが、ディスカッションが盛り上がり、我部先生の最後の講評もかなり熱く(長く?)なって、12時40分くらいまで延長して行われました。



「宮古民謡における詞章の変遷」は、宮古島に三線の文化が入り、古謡が民謡として歌われるようになった際に、歌詞にどのような変化が見られるのか、という観点からの比較研究となっており、我部先生からは「神への祈りの場であった古謡が、人から人へ謳われる民謡に変化する中で、歌詞に叙事から抒情という変化がみられる、という指摘は今後の歌謡研究においてとても重要で、オリジナリティのある卒論になっていると思います」とのコメントが寄せられました。



「琉球舞踊における創作舞踊の継承の課題」については、戦後のトップランナーであった初代山田貞子の創作舞踊の創作意図を様々な文献や映像資料から探り、今後の継承に役立てようとする研究です。山田貞子の門下で学ぶ4年生に対して、我部先生からは「創作舞踊の多くが、型と歌詞だけで解釈して踊られていることが多く、創作意図を探り出して次の世代に伝えていこうという研究はとても重要。今回の研究をぜひ踊り手として生かしてほしい」というメッセージも寄せられました。



「戦後から現在までの紅型の復興と発展」と「戦後のエイサーにおける形成と発展」は、いずれも我部先生の研究室のテーマでもある、文化の継承にスポット当てた好論で、歴史的な事実を正確に整理した点への評価と、「紅型の復興は本当になされたのか? 現代の紅型作家が置かれている状況も取り上げてほしい」「沖縄市のエイサー団体がなぜ2013年を境に減少していくのか、その理由に迫ることで研究はもっと深まる」など、今後の研究の展開への期待が述べられました。



本日は都合により全員の報告はありませんでしたが、6名の卒業生の論文は我部先生の研究室の卒論集として今後編纂され、発行される予定です。
本日、司会進行、受付などで頑張ってくれた3年生のみなさんの卒業研究にも期待しています!