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日本文化学科のブログ

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【「卒業論文奨励賞」授賞式を開催しました! おめでとう!】

研究室・ゼミナール紹介
日本文化学科では、4年生による卒業論文の執筆が必修化されており、各専門領域の下で各自が興味関心のあるテーマや題材を決めて、1人あたり50枚から(長い場合は)200枚に及ぶ論文を執筆することになっています。
そして、学科の「ディプロマポリシー」に即して、学術的に価値の高い論文、または将来の進路につながるような卒業研究を行ったを学生を表彰する「卒業論文奨励賞」の表彰を実施しています。

卒論をしっかり書き上げた学生たちは、これから卒業研究を始める2年生にとってのよいお手本となります。そこで、2年生が研究室を選択するために受講する「ゼミナール入門」という必修科目の中で、2024年1月29日、その授賞式と、指導した田場先生、下地先生、村上先生、桃原先生らの講評が行われました。



今年度、奨励賞に輝いたのは以下の論文です。

●現代文学研究室 (指導:村上陽子先生)
「二葉亭のリアリズム―二葉亭四迷『浮雲』論」

●古典文学研究室(指導:田場裕規先生)
「額田王論」
「蛭子論」

●言語学・琉球語学研究室 (指導:下地賀代子先生)
「若者ことばにおける外来語の意味と形の変化」
「沖縄県における若者世代の自称表現の変化について」

●国語教育学研究室 (指導:桃原千英子先生)
「構成的グループエンカウンターによるグループ学習の充実化」
「「読むこと」におけるアクティブラーニング型授業の課題と改善」

●図書館情報学研究室 (指導:山口先生)
「学校図書館における主権者教育-「政治的中立性」に注目して-」
「学校図書館におけるプライバシー保護に関する研究-貸出記録の取り扱いに注目して-」









図書館情報学研究室で優秀賞を受賞したお二人には、指導した山口先生から以下のような講評が寄せられました。

「卒論奨励賞を受賞されたお二人の論文はどちらも、なんとなく、当たり前のように思われていることが、実は間違っているのではないか、という問いかけをもとに展開されている卒論です。
まず「学校図書館における主権者教育」は、図書館が資料を集めるときに中立的であるとはどういうことなのか、Aという意見とBという意見があるとき、Aを50、Bを50に集めることが中立と言えるのか、ある一定の条件下では、30:70くらいの比率こそが中立的と言えるのではないか、この疑問を現場の学校司書にぶつけたらどのような反応がかえってかるうのか、ということが丁寧な文献調査とアンケート結果の分析を通して、とても刺激的に論じられてます。
次に、「学校図書館におけるプライバシー保護に関する研究」は、小中学校の図書館で当たり前のように行われている、図書委員による貸出はプライバシーの侵害にならないのか、貸出冊数を通知表に掲載したり、表彰したり、そのために担任に図書館での貸出冊数を伝えていますが、タイトルを伝えなければプライバシー保護上の問題はないのか、と問いかけ、プライバシーについての新しい学説にも目を向けながら、子どもの権利という観点から、現場の状況を再点検しようという意欲的な論文です。
私が担当した「ゼミナール入門」第13回で、図書館情報学はまだまだ歴史の浅い学問だ、という話をしましたよね。そのことは、テーマを自由に設定できる、ということだけでなく、図書館の世界で、なんとなく当たり前だと思われていることを問い直していく、その問いはもしかすると図書館を、社会を変えていく可能性がある、図書館学分野の卒論の楽しみはこうした点にもあるのではないかと思います。図書館情報学に関心がある人は、ぜひこうした視点で3年生からの卒業研究を楽しんでほしいなと思います。」

日本文学科での卒業研究での学びや成果を生かして、これからも社会人として頑張ってほしいなと思います。
奨励賞受賞者の皆さん、おめでとうございます!