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日本文化学科のブログ

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【「窪德忠琉中関係研究奨励賞贈呈式」が開催され、受賞者である我部先生による報告会が開催されました!】

先生も頑張ってます
2024年3月4日、沖縄国際大学学生会館にて「第28回窪德忠琉中関係研究奨励賞贈呈式」を開催され、南島文化研究所所長である岩田直子先生から、受賞者である我部大和先生への賞状と副賞の進呈、さらに我部先生による研究報告も行われました。

「窪德忠琉中関係研究奨励賞」は、琉球と中国(台湾を含む)の関係やその比較研究に従事する、若手研究者の研究を奨励し、この分野の研究の発展に寄与することを目的として毎年開催されています。今回は「第28回」となっていますが、26回、27回は「該当者なし」という結果でしたので、3年ぶりの受賞式の開催となりました。



我部先生による研究報告のテーマは「演戯故事・進貢使節の鑑賞した内容からみえる琉中間における歓待芸能の研究」。

琉球王府時代に、中国からやってきた冊封使を歓待するために演じられた組踊。その内容を漢訳した「演戯故事」という資料が中国側に手渡されています。芸能を鑑賞するだけなら、こうした文字資料を渡す必要性はそれほど大きくなかったはずですが、残された資料(尚家文書)を調べると、琉球王府において、かなりシステマティックに細かいルールの下でその資料がまとめられており、中国との交流において重要な役割を担っていたと考えられます。
我部先生の仮説では、演戯故事に描かれる組踊の世界は、従来の内容よりも、儒教的思想が強くなっており、中国から伝わった儒教の思想が琉球でもこれだけ普及しているということ、琉球国はこれだけ努力しているということをアピールするために、こうした文字資料がつくられたと考えられるそうです。





本賞の授賞式は2020年からのコロナ禍の影響もあって、なんと5年ぶりの開催となったそうです。5年の間に、沖縄国際大学には新しく学生会館が設置され、本授賞式&報告会もこの学生会館2Fにあるステージで行われました。真新しい、開放的なステージでの報告は、新しい時代の研究者の一人である我部先生にぴったりの場所だったように思います。

授賞式では、審査委員長の石垣直先生から今後の研究の方向性について「儒教的なもの」とはどのようなものかを明確にすることへの期待などが寄せられました。
我部先生のこれからのご研究の深化と授業・卒論指導等での還元を期待しております。