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日本文化学科のブログ

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【図書館学担当の山口先生が図書館問題研究会第70回大会で報告を担当しました!】

先生も頑張ってます
日本文化学科で図書館司書課程の授業と情報科目を担当している山口先生。
現在は日本図書館協会・図書館の自由委員会の委員も務めていて、各地の依頼を受けて「図書館の自由」をテーマとする研修会の講師なども担当しています。

2024年7月7日に開催された図書館問題研究会・第70回全国大会【茨城大会in日立】でも、第4分科会「図書館の自由・危機管理」の依頼を受けて、「出版者からの回収依頼等の事例と対応ーー日本図書館協会・図書館の自由委員会の基本的な考え方」というテーマで報告させていただきました。



報告では、2010年以降、図書館に対して出版者等から回収・差し替え、さらに貸出・閲覧・複製禁止といった利用制限の要請があった場合に、図書館はどのように対応すればよいのか、自由委員会の原則的な考えを紹介しつつ、今後、検討が必要な課題について山口先生の考えも紹介しました。

出版者からの回収要請に対して安易に応えてしまう図書館があることについて、単純な誤植のようなケースについては、間違いが掲載された版を提供し続けるよりは、新しい版に交換してもらった方がよいかもしれませんが、図書館が出版者からの回収要請に安易に応じたり、制限をかけることに抵抗感をなくすことは、私たちの日々の暮らしに必要不可欠な情報(記録)がいつの間にか書き換えられたり、奪われたりすることにつながっていくおそれもあります。
このことは「「思想善導」の機関として、「国民の知る自由を妨げる役割さえ果たした歴史的事実」への「反省」の上につくられた「図書館の自由に関する宣言」の理念にも反するのではないか、と山口先生。

栃木の会場には残念ながらお伺いできませんでしたが、オンラインを通して、沖縄と全国の図書館の現場の皆様と「図書館の自由」をテーマとして、問題を共有することができ、とても有意義な会になりました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。