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日本文化学科のブログ

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【日文夏の恒例行事・琉歌大賞の表彰式が行われました!】

琉球文化コースの取り組み
日本文化学科では1年生全員が受講する「琉球文化論」という必修科目の中で、毎年、オリジナルの琉歌を創作して、その芸術性や時代性を評価する「沖国日文・琉歌大賞」というコンテストを開催しています。

授業を担当されている我部大和先生の企画によるイベントで、我部先生が着任された2020年度から取り組んでいますが、過去3年間、コロナ禍ということもあり、「沖国日文・コロナ歌大賞」という名称で開催してきました。昨年度からは、コロナ禍の制限がほぼ解除されたということで、本来の「琉歌大賞」という名称に戻しての開催しています。





今年度は、応募総数176首、入選作品として10首が選ばれ、8月5日の前期の最後の授業では表彰式が行われ、受賞者10名が賞状を受け取りました。

大賞・優秀賞は、琉球語を使った本格的な創作琉歌で、2作品とも、審査委員とも満場一致で選ばれました。
また、佳作には募集時期の関係で、沖縄戦や平和に関するものから今時の大学生だからこそ読んだ歌も多数みられました。



【大賞】 
 若夏がなれば 育ち行く若芽 玉の面影のまさて立ちゆさ

【優秀賞】 
 屋部ぬ浜辺うてぃ でぃぐぬ花見りば 肝んうてぃちちゅさ 静かでむぬ

【佳作】
 ふるさとの 宝 響く 太鼓の音 心が 高鳴る 夏の夜に
 (ワシタシマヌタカラ ウチナラステーク チムンタカナッティ ナチヌユルニ)

 *表記は日本語 読みは琉球語

 実る菴摩羅の 色や美らさんど どこか自慢げな 祖母の笑顔

 みるくゆぬ島や いちまでぃん続け ガジュマルに宿る 按司ぬ思い


審査委員を務めたのは、我部先生の他に、日本文化学科で我部先生とともに琉球文化コースの授業を担当する西岡先生、万葉集など和歌研究を専門とする田場先生、そして非常勤教員としてお世話になっている照屋理先生。それぞれの先生が独断で選ぶ個人賞の発表もありました。

【西岡敏賞】
 朝の紫陽花の 露を確かめて 歩く通学路 夏の匂い

【田場裕規賞】
 秋津島 大和 美らさ島 沖縄 海に 囲まれた 我が故郷

【照屋理賞】
 県民黙祷 沖縄忌の時 舗装路眺めて 遺骨想う

【我部大和賞】
 同じ先輩を 好きな後輩と お互いに秘密 LINE持ってる

このほかにも、受講生全員で投票して1位を決める部門もあます。今年度の受賞は、単位を懇願する大学生の思いが反映された作品になりました。
「学生らしい、とても素直な気持ちが表れてて、面白い歌でした。表彰はしますが、、、単位は自分の力でもぎ取ってください!」と我部先生が講評を述べると、授賞式の会場がなごやあかな雰囲気になりました。

【学生賞】*学生投票 最多得票
 うにげえさびらあ わんに 一単位 くぃみそーれーな うにげえさびら



我部先生が沖縄国際大学に着任してから始まった琉歌大賞。今年度で5回目となります。
賞の選考や運営にはいろいろ苦労もありますが、毎年、学生の皆さんが楽しんで取り組んでくれているのがとても印象的で励みになります、と我部先生。



琉歌のコンテストは、日本文化学科だけでなく、学外でも多数開催されています。
ぜひチャレンジして、これからも沖縄の大切な文化である琉歌に親しんでもらえると嬉しいです。
受賞されたみなさま、本当におめでとうございます。