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日本文化学科のブログ

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【おもしろゼミナール入門① 日本・韓国の感情表現比較ーー多文化間コミュニケーションコースのご紹介】

研究室・ゼミナール紹介
日本文化学科には12のゼミナールがあります。ゼミナールとは10名程度の少人数クラスで、卒業研究を行うための授業です。学生たちはそれぞれの研究室に所属し、各自が設定したテーマの下で長い時間をかけて調査・研究を行い、卒業論文を執筆していきます。
2017年度の卒業研究から、多文化間コミュニケーションコースの卒論を仕上げた、渡久山千聡さんの研究をご紹介します。
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 私は大学3年生のときに、韓国にある韓南大学に留学しまた。留学前からも学内で留学生と交流することが多かったのですが、どこどこの国の人はこんな人だ、というステレオタイプや先入観をもたずに接したいと思っていました。しかし、実際に韓国で生活してみると、喜怒哀楽の表現が日本人と韓国人では違うなと感じることがたびたびありました。韓国の友人からも「日本人留学生は感情をストレートに表現しない」「何を考えているかわりづらい」と指摘されたことがあります。こうした経験の中で、「お国柄」のようなものはあって当然なのかな、と感じるようになりました。

 卒業研究では、こうした経験を活かして、日韓の感情表現の比較研究を進めています。「怒」の感情表現に注目して、日本版のドラマと韓国版のリメイクドラマを比較するという研究です。例えば、「花より男子」というドラマでは、日本版も韓国版も怒る表現は似たようなものですが、日本版では「このヤロー」「ばっかじゃないの」などの短い言葉で済ませて、その後はふてくされた態度で怒りを表現するのに対して、韓国では「このヤロー」などのセリフの後になぜ怒っているのか、あなたのどこが悪いのか、ということを事細かに説明する場面が多いことが分かってきました。「韓国人は怒りっぽい」「日本人はおとなしい」というステレオタイプをよく耳にしますが、必ずしもそうとは言い切れず、感情表現の方法に、言葉に頼るのか・言葉以外の要素に依存するのか、という違いがある、という結論に至りました。

 留学中に学んだ語学力を活かした職業に就くため、卒業後は日本語教師の仕事をしながら、日韓通訳の勉強のための学校に進学しようと計画中です。これからも日本と韓国との交流のために自分なりに学びを続けて行きたいです。
[ 2018年1月インタビュー ]