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日本文化学科のブログ

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【おもしろゼミナール入門③ 「妖怪」「幽霊」「お化け」の相違点ーー日本文化コースのご紹介】

研究室・ゼミナール紹介
日本文化学科には12のゼミナールがあります。ゼミナールとは10名程度の少人数クラスで、卒業研究を行うための授業です。学生たちはそれぞれの研究室に所属し、各自が設定したテーマの下で長い時間をかけて調査・研究を行い、卒業論文を執筆していきます。
2017年度の卒業研究から、日本文化コースの卒論を仕上げた、我那覇隆史さんの研究をご紹介します。
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「日本妖怪考―「幽霊」「お化け」との相違点」

 もともと古典文学や古典芸能の世界に興味があった私は、2年生の時に派遣された東京・桜美林大学への国内留学中も、休みのたびに神社仏閣めぐりをしていました。神社や仏閣にはいろいろな像が飾られています。その中には不思議な、邪悪にも思える像もたくさんあり、不思議な魅力を感じていました。

 3年生後期から本格的に取り組んだ卒業研究では、「妖怪」をテーマに、その語義を改めて考えてみよう、という研究を進めました。妖怪と似たような言葉で、「幽霊」や「お化け」といった語がありますが、これらはどのように区分できるのか。国語辞典、百科事典だけでなく、古典の文献もひも解いて語義を調査したところ、「妖怪」は人以外がなるもの、「幽霊」は人がなるもの、「お化け」は「化け物」の幼児語で、妖怪の概念に含まれる、ということが徐々にわかってきました。

 卒業研究を進めていく上で1つ気になったのは、「妖怪」の「妖」という文字です。「妖」も「怪」もいずれも「あやしい」という意味上がるのですが、「妖」の方には「女性のなまめかしさ」という意味が含まれています。男の妖怪もたくさんいるのに、なぜ女偏がつくのか。卒論では十分な資料が集められなかったので、これからの課題としたいです。

 卒業後は澳門大学で日本語教師のインターンとして派遣されることが決まっています。海外の学習者にとって、日本語の難しさは類語が多いところにあると聞いたことがあります。卒業研究で学んだことも活かして日本語と日本文化を伝えられる教師になりたいです。