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日本文化学科のブログ

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【連載②ゼミナール入門ーー狩俣恵一先生「民謡や琉歌から文化を捉える」ゼミのご紹介】

研究室・ゼミナール紹介
日本文化学科では、3年生になると各先生の研究室に所属し、卒業研究を進めていきます。2年生の後期は、3年生からのゼミナールを選択する時期に当たります。

日本文化学科には、2年生の必修科目として「ゼミナール入門」という科目があります。毎回、各先生が研究室での研究内容をさまざまな趣向を凝らしてプレゼンし、2年生のゼミ選択の参考にしてもらっています。

10月1日の「ゼミナール入門」第2回目は、琉球文化コースを担当している狩俣恵一先生が登場。当日の授業内容を簡単にご紹介しますので、受験生の皆さんには、この連載を通して日本文化学科で学べるカリキュラムのイメージを広げてもらえるとうれしいです。


◎狩俣先生はどんな研究をしているの?
狩俣先生は、沖縄(琉球)に古くから伝わる神話、芸能、昔話や民謡の研究を行っています。
琉球語は日本語と姉妹関係にあり、当日は琉球語と日本語がどう関わりが深いのかの講話からスタートしました。言語文化の視点で見ると、琉球語は宮古島と沖縄本島を境に北琉球方言・南琉球方言に分けられ、さらに首里を中心に士族・百姓という身分差によっても相違があるそうです。同じ士族でも、住む場所によって言語に差異がある中でも相互理解ができたのは、琉球文による筆談、文字言葉であるというお話には、学生たちもなるほどといった様子でした。
琉球と日本の関わりは言語文化だけでなく、身体の使い方、声の出し方なども類似点が多く、西洋との比較からわかりやすく日本・琉球の関わりの深さを説明してくださいました。日本の難波節や義太夫節・琉球の歌三線や組踊りの唱えと西洋のオペラの発声の違い、歌舞伎や能・組踊の動かぬ美と西洋のミュージカルなどの動く芸という違いなどの例の紹介の後、実際に狩俣先生が歌舞伎の口上、組踊の唱えを演じ、抑揚のつけ方、間の取り方、呼吸などの共通点を説明すると、学生からは「狩俣先生すごい!」という声もあがりつつ、日本と琉球の「感覚の近さ」について興味深く聞いていました。

◎ゼミ生たちはどんな研究をしているの?
狩俣先生のゼミでは、琉球の言語文化を通して、芸能、昔話、民謡などを中心に研究を行っています。実際に、地域の伝統行事などをゼミ生と見に行くことなどもあるそうです。ゼミ生は次のようなテーマで卒論を書いています。
・琉球舞踊について
・地域別の民俗芸能について
・歌三線について

◎狩俣先生からの一言
琉球文化コースでは言語文化を中心に沖縄を学んでいます。言語文化には、古典などの書き言葉だけでなく、話し言葉を通して民謡や芸能などのパフォーマンスもあります。琉球言語は地域によって大きな差があり、方言の分布図を見るだけでも面白さがあります。琉球言語を通して文化を学びたい人はぜひ私の研究室に来てください。

次回の「ゼミナール入門」は、古典文学を中心に研究を行っている葛綿正一先生です。お楽しみに!