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日本文化学科のブログ

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【連載⑤ゼミナール入門ーー田場裕規先生「国語教育・古典文学を考える」ゼミのご紹介】

研究室・ゼミナール紹介
日本文化学科では、3年生になると各先生の研究室に所属し、卒業研究を進めていきます。2年生の後期は、3年生からのゼミナールを選択する時期に当たります。

日本文化学科には、2年生の必修科目として「ゼミナール入門」という科目があります。毎回、各先生が研究室での研究内容をさまざまな趣向を凝らしてプレゼンし、2年生のゼミ選択の参考にしてもらっています。

10月29日の「ゼミナール入門」第5回目は田場裕規先生が登場。当日の授業内容を簡単にご紹介しますので、受験生の皆さんには、この連載を通して日本文化学科で学べるカリキュラムのイメージを広げてもらえるとうれしいです。


◎田場裕規先生の研究室ではどんな研究ができるの?
田場先生は、国語教育と古典文学を専門に研究しています。講義の前半は、前回のインターンシップ報告会を元に就職活動のお話からスタートしました。

「将来への活動を考えるのではなく、実践するのが今の時期。大学にいる4年間はあまり現実感を感じることが出来ません。とくに日本文化学科全体で就活への動きが遅いように感じます。経験は最良の教師とも言いますが、決断を先延ばしにして慌てて動くのではなく、その都度具体的な思考をすることが大切です」と語る田場先生。手を挙げれば就職できる今、就職すれば安泰というわけではなく、自分にあった職につくために自分の足で情報を集め動くことが大切だというお話をいただきました。

今回のプレゼンテーションでは、研究室に所属する3年次5名が駆けつけてくれて、一年を通してどのような活動を行っていくのかを説明してくれました。

プレゼンでは、今年ゼミで取り上げた教材作品『醒睡笑』から「名づけ親方」という作品を紹介してもらいました。
『醒睡笑』とは、当時庶民に広く流行していた話をまとめたもので、「名づけ親方」は~左衛門という名前にしたい主人公が日本左衛門という名前はどうだろうかと僧侶に提案し、僧侶がその名前はスケールが大きすぎておかしいと言うと、「唐左衛門という名前の人もいるのだからいいじゃないか」と言った、という日本と唐の大きさを比べたお話です。はじめは原文のままで紹介されてどう面白いのかわからなかった学生たちからも、現代語訳とゼミ生の絵での説明で「そういうこと!」「落語みたいで面白い」といった声があがっていました。他にも、「食レポ」をテーマにゼミ生同士でプレゼンし合ったお話や、大宜味村のハーリー参加など地域文化に触れる機会が多いこと、今年5月に行われたゼミ合宿の様子のスライドショーなど、卒論で全力を出しつつ、ゼミでの交流にも全力を出しているというお話もしてもらいました。

田場先生の研究室は教職課程の生徒専門のゼミというイメージがあるかもしれませんが、「田場ゼミは教職課程専門のゼミではなく、現在ゼミに所属している学生で教職を履修している人は半分半分です」という話もありました。


◎ゼミ生たちはどんな研究をしているの?
田場先生の研究室では、国語教育・古典文学の研究を行っています。また、沖縄の文化について研究することもできそうです。教育問題と琉球文化やしまくとぅばを組み合わせた研究を行っているゼミ生もいるそうです。
ゼミ生は次のようなテーマで卒業論文を書いています。
・金太郎伝承論研究
・オノマトペ研究
・汀良町の獅子舞文化研究

◎田場先生からのメッセージ
勉強や卒論は一人の勝負です。しかし、意見交流の場が大切だと考えています。ゼミ紹介では遊んでいるようにも見えたかもしれませんが、私は遊びだとは思っていません。集団での行動や共感・共有が経験になり、それが一生の宝になると思います。また、グローバル化の中で自分たち沖縄の文化を考えることも出来るゼミです。ぜひ興味のある学生は田場研究室に来てください。

今回の「ゼミナール入門」を通して、就職活動や自分の将来設計を見直す大切さを感じるとともに、交流を通して学んでいく田場ゼミの楽しそうなイメージが伝わったと思います。
次回は国語教育が研究室から桃原千英子先生の登場です。お楽しみに!