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日本文化学科のブログ

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【連載⑥ゼミナール入門ーー桃原千英子先生「国語科教育を考える」ゼミのご紹介】

研究室・ゼミナール紹介
日本文化学科では、3年生になると各先生の研究室に所属し、卒業研究を進めていきます。2年生の後期は、3年生からのゼミナールを選択する時期に当たります。
日本文化学科には、2年生の必修科目として「ゼミナール入門」という科目があります。毎回、各先生が研究室での研究内容をさまざまな趣向を凝らしてプレゼンし、2年生のゼミ選択の参考にしてもらっています。

11月5日の「ゼミナール入門」第6回目は、日本文化コースを担当している桃原千英子先生の登場です。
当日の授業内容を簡単にご紹介しますので、受験生の皆さんには、この連載を通して日本文化学科で学べるカリキュラムのイメージを広げてもらえるとうれしいです。


◎桃原先生の研究室はどんな研究をしているの?
桃原先生は国語科教育の研究をしており、ゼミも国語科教育に特化したゼミとなっています。ゼミでは教育学という視点から文学を考えていき、語り分析、郷土文学の教材化、学習者分析などの学習課題から学習デザインの提案を行っていくそうです。今回のプレゼンテーションでは、桃原ゼミに所属するゼミ生12名が駆けつけてくれました。現在進めている4年次3名の卒業論文の途中経過発表、3年次11名のゼミ論題目発表が行われました。

4年次の卒業論文では、「情動認識力を育成する国語科教育」や、「教材としてのライトノベルの可能性について」、「読書教育カリキュラムの再検討」、3年次のゼミ論題目発表では、「日本における鬼の概念」や、「漢字における反復練習法について」、「敬語の変化と教育について」など、教育という視点からみる研究を行っていました。ゼミ論・卒論のテーマ決めについて、他学科の講義を受けていく中で言葉と感情の関係について調べたいというヒントを得たという話や、ライトノベルでも哲学的・考える内容の作品もあり教材としての価値を見出せないかと考えたというお話、自分も敬語が苦手で、敬語への苦手意識が敬語を正しく伝えていないのではないかと考えたためなど、ゼミ論・卒論のテーマは身近なところや意外なところにあるというお話をしてもらいました。研究方法も多岐にわたっており、ライトノベルの研究では、「タイトルを隠して生徒に考えさせる」、「作風をまねして生徒にお話を書いてもらう」などの授業細案を出し、実際に模擬授業を行いライトノベルの利点・欠点を洗い出していくそうです。

3年次4年次の発表のあとに、一年間のゼミの流れや、合宿の様子、実際のゼミの様子の紹介が行われました。11月に行われたゼミ合宿の写真をスライドで紹介してくれました。広島県で行われた国語科教育の学会への参加や、他大学の方との交流会、観光地での楽しそうな様子を報告してくれました。ゼミでは毎週ゼミ生のゼミ論・卒論について発表があり、質疑応答で研究を深めていくそうです。
国語科教育特化のゼミと聞くとどうしても厳しそうなイメージがあるようですが、教職課程を履修していない学生も在籍していたり、合宿の様子やゼミ論・卒論が身近なテーマを題材にしていたりと、学生たちも「教育とライトノベルの研究ってできるんだ」「県外の学会までいくんだね」と興味深そうにお話を聞いていました。

◎ゼミ生たちはどんな研究をしているの?
桃原ゼミでは、国語科教育についての研究を行っています。ゼミに入るためには、教職課程を履修している、もしくは日本文学物講Ⅰ・Ⅱを必修していることが条件だそうです。
ゼミ生たちは次のようなテーマで卒業論文を書いています。
・アクティブラーニングについて
・沖縄文学の教材化について
・国語科教育における語りの視点について

◎桃原先生から一言
ゼミ選択では、自分が大学・日本文化学科にきて関心がある分野、就職先について、両方を考えて選ぶことが大切です。そのために、2年次の間にたくさん勉強をしてほしいです。4年次はあってないようなもので、3年次で勉強や就職活動を終えて、その成果をまとめるのか4年次です。たくさんの経験を開拓していってください。桃原ゼミに興味がある人は、ぜひ一緒に学会参加などたくさんしましょうね。

次回は司書を目指す学生が多く所属する文化情報学研究室から、山口真也先生が登場します。お楽しみに!