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日本文化学科のブログ

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【卒業研究報告 古典文学&琉球語学研究室より】

研究室・ゼミナール紹介
日本文化学科には12のゼミナール(研究室)があり、学生1人1人がオリジナルのテーマを設定して、3年生から4年生まで、2年間をかけた卒業研究に取り組んでいます。2018年度の卒業論文も無事に完成しましたので、その中から研究室ごとにピックアップしてご紹介していきます。



■古典文学研究室
古波藏唯さん(普天間高校出身)
「『古事記』における女神の死についての研究ー機織女の陰損傷を中心に」: 
大学入学前から古典に興味があり、その中でも日本神話に関わる古事記を研究したいと考えたことがテーマを決めたきっかけです。アマテラスとスサノオの神話に登場する機織女の死について注目し、『古事記』内の類話と比較しつつ、アマテラスの岩戸隠れに繋がる機織女の死がどのような意味を持つかを考察し、アマテラスではなく機織女が陰損傷をしたことには大きな必然性があったという結論に至りました。実は機織女は『古事記』の中では数行しか出てきません。想像力を膨らませながら考察できることが古典研究の魅力だと思います。
卒業後は地元の町の公務員としてもちまえの想像力を生かして頑張ります!

■琉球言語・文化継承研究室
徳村利奈子さん(球陽高校出身)
「恩納村宇加地方言の研究」: 
恩納村の方言はユネスコの分類で言うと、「国頭語」と「沖縄語」の境界部分となっていて、言語学的にも注目されています。私は、出身地である恩納村南部の宇加地の方言について、名詞の基礎語彙に助詞を付けて文節単位でアクセントの区分を研究しました。沖縄におけるアクセントは、二つのパターン(型)に分かれるものと、三つのパターン(型)に分かれるものが多いという特徴があります。卒業研究では宇加地の方言がどちらのパターにも属さず、アクセントの対立がないといういことをまとめました。卒業後は研究をさらに深めるために大学院に進学します。