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日本文化学科のブログ

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【研究室へようこそ② 多文化&日本語教育研究室・奥山貴之先生編】

研究室・ゼミナール紹介
日文の学生は3年生になると11人の専任教員の研究室で卒業論文を執筆します。各研究室ではどんな先生の下でどんな研究がおこなわれているのでしょうか 今回は奥山貴之先生の研究室にいってお話を聞いてきました。



■先生はどんな授業を担当しているの?  
ーーー日本文化学科の学生が受講する科目では、「日本語教材研究演習」など外国人に日本語を教えるためのスキルや知識を学ぶ科目、「ジャパノロジー」という文化の多様性を知るための科目などを担当しています。他に、私自身が日本語教師として留学生に日本語を教える授業も担当しています。日本語教師になるためには、日本語文法の理論や教え方はもちろん、学習者のおかれた社会的状況やニーズなど、たくさんのことを学ぶ必要があります。同じ日本語を学んでいるはずですが、高校までの「国語」とは異なる分野です。

■研究室の学生たちはどんな研究をしているの?  
ーーー私の研究室では、日本語教育の研究や、日本語教育の基礎となる日本語学や多文化間コミュニケーションを取り上げた研究をする学生が多いです。昨年の卒業論文で面白かったものは「当て字」の比較研究です。当て字というのは「本気」と書いて「まじ」と読む、といったものですが、マンガではどんな当て字が使われているのか、作品のジャンルや掲載雑誌によって使われる当て字に違いがあるのか、といった特徴の分析を行った学生がいました。日本語はいろいろなものに関わっているので、マンガ以外にも、映画やドラマの中の表現、外国語の中にあらわれる日本語など、日常の中で気になることや自分の好きなことから題材を選んで卒論に取り組めるのがこの研究室の面白さだと思います。

■進路が気になります! 就職状況を教えてください!  
ーーー私の研究室は日本語教師を目指す学生が多い研究室なので、昨年度の卒業生では、日本語教師が3名、うち1名は海外(中国)の日本語教育機関で頑張っています。他に県外のテレビ局(NHK)1名、観光業1名、保育士1名、IT関係1名、商社1名、という就職状況です。
就職活動では、エントリーシート、グループディスカッション、面接などなど、「言葉の戦い」が続きます。卒業生からは、日本語教育研究室で日本語学やコミュニケーションをしっかり学んでいてよかった、という声も聞かれました。

■日本語教師ってどんな仕事なんですか?  
ーーー簡単に言えば、日本語を母語としない人に日本語を教える仕事ですが、日本語を教えるといっても本当に対象は幅広くて、ボランティア教室、日本語学校、専門学校や大学、海外の学校や大学、教える場所も相手も様々です。相手の立場やニーズによって、仕事の内容も変わってきますし、所属する機関なども変わってきます。それぞれ求められるものが違うので、もし日本語教師を目指すなら、どこでどんな人に教えたいのかをよく考えて、何が必要か調べたほうがいいでしょうね。興味がある人はオープンキャンパスで私に相談してみてください。

■先生はどんな大学生活を送っていたのですか?  
ーーー学生時代は文学を専攻していたのですが、読書が好きで、ひたすら一人暮らしをしていたアパートで本を読んでました。正直なところ、地味な生活であまり記憶がないというか…(笑)。研究室の学生たちには大学時代にいろんなことにチャレンジしよう!と伝えています。日本語教師を目指したのは大学4年生の時で、選択科目で受講していた言語学系の授業がとても面白かったのがきっかけです。
大学入学時から日本語教師を目指していたわけではないのでちょっと遠回りしたようなところもあるのですが、文学作品が日本語教育の教材として活用できると感じることもあって、何事も一所懸命頑張っていれば、世界が広がる・つながるということを実感しています。

■受験生へのメッセージをお願いします!  
ーーーAO入試、推薦入試の面接で「日本語教師になりたい!」という志望動機を語ってくれる方も最近増えてきましたが、そうした方はぜひ自分たちが使っている日本語の特長を自分の言葉で客観的に語れるようになってください。ネットを調べると、「日本語は美しい」「日本語は難しい」というキーワードが出てきますが、そういう分かりやすいフレーズに流されずに、自分自身が日本語をどのように使っていて、それはどのように捉えられるか、をしっかり考えてみてください。そうした資質は日本語教師として働く上でもとても大切です。面接で受験生の皆さんと日本語について語り合えるのを楽しみにしています。