文字サイズ

日本文化学科のブログ

ブログ

【南島文化研究所の第211回シマ研究会にて西岡敏先生が研究発表を行いました】

琉球文化コースの取り組み
2019年12月23日、日本文化学科で琉球語・琉球文学の授業を担当されている西岡敏先生が、「組踊における人間関係と待遇表現」と題した研究発表を行いました。

西岡先生による報告内容は次の通りです。



組踊のセリフや歌で用いられている言語は「沖縄語」の一つである。「沖縄語」は、琉球列島における六つの危機言語のうちの一つであり、近世琉球の言語表現である「組踊語」は、現代の「沖縄語(うちなーぐち)」とも深いつながりを持っている。「琉歌」の表現と同じく、韻文によって沖縄語独特の文語的な世界を構築しているが、セリフによって物語が進行していくので、言語表現にも登場人物の人間関係が反映された形を見ることができる。今回のシマ研究会では、組踊のセリフにおいて話の相手や第三者がどう扱われているか、すなわち、その「待遇表現」に注目して、組踊で用いられている言語表現について考察していきたい。



司会は日文学科長の下地賀代子先生、コメンテーターの鈴木耕太(沖縄県立芸術大学附属研究所)先生も日文の前身である国文学科ご出身です。



西岡先生の報告後のディスカッションでは、組踊では親子での会話はそもそもなく、敬語は作者によるところが大きい。作者による敬語表現に注目した方がより現代との違いがみられるのでは、という西岡先生の問題提起に対して、西岡先生、下地先生、鈴木先生と会場とで熱い議論が交わされていました。



年末のあわただしい時期、さらに、平日の開催となりましたが、琉球語をテーマとする発表ということで、会場には各大学の研究者や学部学生の他にも、一般の方々も多数ご参加くださり、琉球語への関心の高さが伝わってくる研究会となりました。ご参加下さり、ありがとうございました。