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日本文化学科のブログ

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【オンライン日本語学文化研修が行われました】

日本語教育副専攻課程通信(日本語教師)
【オンライン日本語学文化研修が行われました】

参加した学生から、レポートが届いています。
さっそくご覧ください。




 2022年度オンライン日本語学文化研修が7月18日から22日の5日間にわたって開催されました。この研修は、海外にいる日本語学習者の方に日本や沖縄の文化について知ってもらいながら、日本語を使ったコミュニケーションを楽しく行うことを目的としています。海外協定校からはマカオの学生1名と韓国の大学に在籍している中国出身の学生1名、沖縄国際大学からは日本語教員養成課程の「日本語教育実習Ⅱ」の受講生13名が参加しました。日本人学生は日を分けて、1日に4~5名が参加する形で、日本語学習者のお二人との交流を楽しみました。

 研修では、毎日1つのテーマについて話し合ったり、日本人学生が日本や沖縄の文化を紹介したりしました。また、最終日には日本語学習者のお二人も自身の国の文化について日本人学生に紹介してくれました。
 まず、毎日1つのテーマに沿って行われた話し合いでは「小学生や中学生のときに好きだった科目や嫌いだった科目は?」「あなたが通っていた学校にあったルールは?」など、身近な話題が取り上げられ、お互いの意見に共感したり、気になったことは質問して掘り下げたりしながら楽しく交流しました。例えば、「好きだった科目と嫌いだった科目」をテーマにした話し合いでは、数学や理科、英語が苦手だったという意見が多くみられました。なかでも、数学が苦手だったという学生から「数学では公式を一生懸命覚えていたけれど、『こんなのいつ使うんだろう?』と思いながら勉強していた。」という意見があがり、これには皆が共感していました。しかし一方で、「役に立つと思う科目は?」という質問に対して「個人的には数学や物理は苦手だったけれど、私たちの暮らしを便利にしてくれているものには、それらの知識が応用されているから重要な科目だと思う。」という意見も出ました。

 私たちが普段の生活の中で使っている知識は一生懸命勉強したうちの一部に過ぎないかもしれません。ただ、その学問がある分野では大いに活用されて私たちの暮らしを豊かにしてくれていることも確かにあると思います。自分にとって役に立つものではなくても、それが必要のないものとイコールとは限らないということを改めて感じられたエピソードでした。

 また別の日、「校則」をテーマにした話し合いでも印象に残った話がありました。お互いの通っていた学校にあった校則について話していたとき、校則を破った人に対する対処について話が及びました。そこで、マカオの学生さんが「私の通っていた中学校では、校則を破ると紙に学校の校則を全て書いて提出しないといけなかった。」と話してくれました。日本では校則を破った人が反省文を書かされた、というのはよく聞く話ですが、全ての校則を紙に書くというマカオの中学校の決まりは日本ではあまり聞いたことがないもので、とても面白く感じました。国や地域の違う学校の話を聞くことができて楽しかったし、どの学校にも思いのほか同じような校則があったりして「そうそう、こんなこともあった!」と似たような経験で話が盛り上がりました。

 さらに、日本や沖縄の文化の紹介では日本の漫画について、観光について、学校について、沖縄の伝統行事についてなど様々なテーマを取り扱いました。マカオの学生も中国の学生も、発表を真剣に聞いてくれて質問も積極的にしてくれました。お二人とも日本や沖縄の文化に対する関心が高く、特に日本のアニメや漫画については私たち以上に詳しくて驚きました。研修最終日には、お二人がそれぞれマカオの文化と中国の文化を紹介してくれました。おいしい食べ物やおすすめの観光地、伝統のお祭りなど、それまで知らなかった文化について知ることができました。現在はコロナウイルスの影響が続き、旅行も躊躇われる状況ですが、いつかマカオと中国を訪れてみたいと思いました。

 今回の研修を通して、海外協定校のお二人が日本語を使って、自分の意見を自分の言葉で伝えようと考えながら話している姿勢が印象的でした。慣れない言葉を使って現地の人と話すというのは、難しく、とても勇気がいることだと思います。日本語がもっと話せるようになりたいという向上心を持っているお二人を尊敬しますし、私も外国語の勉強をまた頑張ろうと良い刺激を受けました。オンラインという形ではありましたが、私自身にとっても海外の方と交流する貴重な機会となりました。国や地域の違いに関係なく、感じることや考えることが似ている部分も多くて楽しく交流することができました。