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日本文化学科のブログ

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【ことばのプロになるためのテキスト『アカデミック・ライティング』が完成しました!】

おもしろ授業
企業が大学生に求める社会人基礎力としてもっとも重視されるものは「コミュニケーション能力」と言われています。
そして、コミュニケーション能力の基礎となるものは「ことばの力」です。
(人は言葉をつかってコミュニケ―ションを行いますよね)

日本文化学科では、学生たちが将来どのような進路を選ぶとしても、人生を力強く切り拓いていくためにかならず役立つスキルとして、言語運用能力を高める授業を1年生から段階的に展開しています。

2年生必修科目「アカデミック・ライティング」もその一つ。
この授業では、
●学術論文の執筆に必要な文章表現力
●学術的な文章の基本的な構成力
●研究に必要な基本的なソフトウェアの操作能力
といった3領域の力の習得を目指しています。

日本文化学科のカリキュラム改正により10年ほど前から授業が始まり、今年度からは、言語学が専門の下地賀代子先生が中心となってこれまでの授業の成果をふまえて編集したオリジナルテキストを使用することになりました。
(テキストの作成には、沖縄国際大学2022年度FDプログラムの支援を受けています)



テキストのPRACTICE1では、自分の伝えたいことをわかりやすく・正確に伝えるための第一歩として、意外に難しい「読点」のつけ方を学べるようになっています。
読点は原則として、主語となる文節の後に入れるとよい、とされていますが、本当にそうでしょうか?

例えば、「私は、パリへ行った」という文章は、「私はパリへ行った」と書いても特に、文意の伝わりやすさという面では変わりはありませんので、必ずしも「、」が必要ではありませんよね。
では「、」はどんな場合につければよいのでしょうか? 

<クイズです!> 主語となる文節のあとに読点を入れた方がよい文章はどれでしょう??
①注意すべき点は3つある。
②その問題を取り扱うのは第二章「国語教育の現状と課題」である。
③東京から沖縄に戻ってきた人は地元が好きだ。

正解は②と③です。
①に読点を付けると変えて読みづらくなります。
②は文章が長いので、主語となる文節のあとに「、」があった方が視覚的に読みやすくなります。
③は主語に修飾語がついており、文の始まりから、主語までに一定の文字数があるため、やはり「、」があった方が読みやすくなります。

このように、文章表現には隠されたルールがたくさんあります。
日本文化学科の学生たちはこうしたルールを共通テキストを使って理論的に学びつつ、授業での研究発表やレポート作成、卒業論文の執筆、そして就職活動や採用試験などでの面接などに役立てていきます。

4月17日は2回目の授業ということで、テキストをもとに、実践的な指導がいよいよスタートしました。
例文をもとに、アカデミックな文章としての間違いを指摘する問題では、なんと間違いが27か所も! 近くの友人と話し合ったり、3年生のチューターさんにも質問したり、または一人で黙々と考えたり、それぞれのペースで学びを深めている様子がとても印象的でした。










(奥山貴之先生のクラスの様子)

ことばの力を高めたいみなさん、ぜひ一緒に日本文化学科で「ことばのプロ」を目指しましょう!