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日本文化学科のブログ

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【各研究室で卒業論文の最終提出が行われました!】

研究室・ゼミナール紹介
2024年1月5日は、日本文化学科の4年生が、3年生の春の研究室所属決定から約2年間かけて取り組んできた研究活動をまとめた「卒業論文」の最終提出日でした。

日本文化学科では卒業論文の執筆が全研究室で必修となっており、日本語学・言語学、国語教育学、日本文学、琉球語学、琉球文学、古典芸能、日本語教育学、サブカルチャー論(アニメ・マンガ・映画等)、多文化間コミュニケーション論、図書館情報学、出版流通問題などなど、専門科目で学ぶ知識を土台として、各自が様々な興味関心に応じて自由にテーマ・題材を設定し、仮説を立て、インタビューやアンケート、観察・実験等を通してそれを検証し、分析していくスタイルで行われています。

卒論の分量は人それぞれですが、多い人は原稿用紙で100~200枚以上になることもあるんですよ。

今年も日本文化学科の学生らしい、多彩なテーマの下、オリジナリティにあふれるたくさんの卒業論文が各研究室で提出されました。



文化情報学研究室で卒論に取り組んだ4年生に、卒業研究に取り組んでみての感想を聞きましたのでご紹介します。

●演歌におけるジェンダー表現-歌詞に注目して-
Gender Expression in ENKA(a traditional-style in Japanese popular song) : Focusing on the Musical Lyrics

大学2年生の時に「文学論」の授業で「ジェンダー」という考え方を知り、卒業研究でもぜひジェンダーにまつわる問題を取り上げてみたいと思っていました。
当初はポップスの歌詞に見るジェンダーバイアスについて調査を行いたいと思っていたのですが、この分野は先行研究が多く、ゼミの先生から「オリジナリティに欠けるね」という指摘があったので、思い切って、先行研究がほとんどない、けれど日本にとって大切な音楽文化である「演歌」というジャンルで勝負することにしました。
私自身はふだんは「演歌」という音楽ジャンルはまったく聴かないので、定義を整理する第1章の執筆はかなり難航しましたが、演歌の始まりが政治的なプロテスト(抗議運動)にあったことを知り、歴史を学ぶことの楽しさや大切さを学びました。また、「ジェンダー」についても、辞書や事典によって定義が異なり、「ジェンダーレス」「ジェンダーイコーリティ」「ジェンダーフェアネス」「フェミニズム」といった似たような言葉もあります。私たちの学年はジェンダー研究を卒論で取り上げる友人が多かったのですが、ゼミでの中間報告などでは、一人ひとり言葉の捉え方が違っていることもあって、物事は多様な見方ができる、ということも学びました。
卒論で苦労したことは「わかりやすい文章を書くこと」です。日本文化学科では1年生のころから、説明文、要約文、論説文などのトレーニングを段階的に受けてきますが、自分が分かっている・知っていることでも、相手が分かっている・知っているとは限りません。読み手を常に意識して、丁寧すぎるくらい丁寧に書いてちょうどよい、ということが、毎週の卒論の個別指導を通して段々とわかっていきました。
私も4月から社会人になりますが、これまで以上にますます「言葉」という手段を通して人と豊かにコミュニケーションをとることが求められると思います。卒業研究で身に着けた、ジェンダーに関する知識と言語運用能力を生かして頑張っていきたいです。

その他にも、文化情報学研究室では以下のような多彩なテーマの卒業論文が提出されました。

●学校図書館における主権者教育-「政治的中立性」に注目して-
Citizenship Education in the School Libraries : Focusing on the “Political Neutrality”

●学校図書館におけるプライバシー保護に関する研究 -貸出記録の取り扱いに注目して-
A Study of the Privacy Protection in the School Libraries : Focusing on the Library Loan Records

●ポリコレの流れからみる表現の変化-「ポケットモンスター」に注目して-
Changes on Expressino in the view of Political Correctness Focusing on “Pokémon”

●アフターコロナにおけるリアル書店の課題 : -顧客の衛生意識の変化をめぐって-
Issues Real Bookstore in the after COVID-19 : Changes in Customer Hygiene Awareness

●大学生の知的財産法に関する理解度-著作権法を対象として-
Research on University Students` Understanding of Intellectual Property Law : Focusing on Copyright Law

●韓国ドラマにみるジェンダー・バイアス―男性主人公を対象として―
Gender Bias in the Korean Dramas : Focusing on the Male Protagonists

●大衆小説におけるジェンダー・フリー -直木賞受賞作品の女性像の変化に注目して-
Gender-Free and the Popular Novels : Focusing on the Change of Women Image in the Naoki Prize-Winning Works



4年生のみなさん、卒業論文の執筆を通して得た様々な知識を生かして、社会人生活でもしっかり頑張ってください!