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日本文化学科のブログ

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【4年間をふりかえって その④】

そのほかもろもろ
【4年間をふりかえって その④】
2024年3月に卒業を迎えた学生に大学生活の4年間をふりかえってもらう企画の第4弾、
【4年間をふりかえって その④】は、放送研究部に所属した学生に記事を書いてもらいました。



 みなさんこんにちは。私は2024年3月に沖縄国際大学を卒業しました。
新型コロナウイルスで始まった大学生活、不安だらけのスタートでしたが、この4年間はサークルや学科で出会った友達との忘れられない思い出ばかりです。

 2020年4月、入学式が中止となり学科の同級生と会えないままオンライン講義が始まりました。
 入学前は、キャンパスには大勢の人が集まり、一緒に学食を食べ、色々な講義で友達をつくるというような大学生活を想像していましたが、実際は交流が制限され、ほとんど友達づくりが出来ずにいました。ただただ、時間がゆっくりと流れ、自宅の机でオンライン講義を終え、アルバイト先へ向かってる際に、「私、本当に大学生になったのかな?」と何度も思ってしまうこともありました。
 しかし、このような先の見えない状況の中で先生方が学びを止めない工夫をし、交流ができるよう気遣ってくださったことがとても心に残っています。通信状況などで講義を受けることが困難な場合にも迅速に対応して下さったことで、慣れない環境でも講義を受けることができました。オンラインが続き、大学生になった実感が持てずに居ましたが、1年生の後期にずっと気になっていた放送サークルに見学に行くことができました。高校生から放送部に所属していたため、大学でも放送サークルで頑張ろうと意気込んでいましたが、入部した時には1年生は私一人だけでした。でも、当時およそ30名ほどいたサークルのほとんどの先輩方が気遣ってくださり、コロナ禍ではありましたが、密にならないように交流する場を作ってくださいました。




 そんな中、日本文化学科の講義の中でも最も印象深いのが、1年生の後期に行った「鬼慶良間」という創作民話劇です。本来、大学祭などで、舞台上で演じますが、コロナ禍の状況を踏まえ、zoomの画面録画機能を使用してオンラインで上映しました。演出方法、舞台装置の製作、小道具や大道具、衣装の調達など、全て1年生だけで取り組むことになっており、日本文化学科で30年以上も続く伝統行事となっています。 この劇がきっかけで仲良くなった友達も多く、 会えない分何度も文字や電話でコミユニケーションを取ったことは貴重な経験になりました。私は演者として、第1幕に登場する役を演じました。この劇の始まりの第一声が私のセリフだったため、とても緊張しましたが「楽しんで劇をすること」という講師の佐渡山先生の言葉を思い出し、最後までやり遂げることができました。無事に劇が全て完成し、動画が完成した時の安心感、同じ学科の友人たちと感じた達成感は今でも忘れられません。日本文化学科に入学したからこそ、受けることのできた授業だと思いました。

 そして、私が大学生活で一番記憶に残っているのが、2年生の時に放送サークルの先輩方と取り組んだ、NHKのラジオ番組「らじらー!」です。沖縄戦のラジオドキュメントを、一から自分たちで制作し、仕上げていきました。コロナ禍の中、戦争を体験した方へのインタビューは難しい面もありましたが、実際に足を運んで取材した声を自分たちで編集し、NHKの制作スタッフさんと何度もメールでやり取りをしながら約10分のラジオドキュメントを完成させることができました。全国放送のラジオで、先輩と共に沖縄戦についてお話したことは、大学生活の中でも一番忘れられない時間となりました。大学生の視点からではありますが、今後新しい世代が戦争の記憶を風化させないよう、語り部を担っていく必要があることを自分の声で届けられたことは、一生忘れません。





 卒業後は、NHK沖縄放送局のキャスターとして、沖縄の現状、また沖縄戦について多角的に伝えていきたいです。この4年間の大学生活で学んだ経験を生かし、「伝え手」として日々様々な視点から物事を見極め、挑戦することを忘れず成長していきたいです。
 
 最後になりますが、丁寧な指導とあたたかな愛情をもって寄り添ってくださった、ゼミの下地先生をはじめ、放送研究部顧問の奥山先生、4年間の学生生活を支えてくださった先生方、職員の方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。