【ライティングセンター第2期、開催中! ただいま1980年代の不倫ソングを探しています!】
おもしろ授業
日本文化学科では2年生向け必修科目である「アカデミック・ライティング」という科目で、前期期間中の4月から7月までの約4か月をかけて、卒業研究に向けて、調査研究の方法論や学術的な文章の書き方を実践的に学んでいます。
これまでの授業の中で、クラスごとに決まっている大きなテーマの下で、「問い」を考え、「仮説」を立て、その「検証方法」を考える作業を行ってきました。テーマの決定時期にあたる6月には、ライティングセンターを開設して、3・4年生のチューターの学生の指導を受けつつ、いよいよレポートの執筆作業に入ることにありました。
が、いざレポートを書こうとすると、当初計画していた仮説の検証方法ではいろいろと不都合な部分が出てくる場合もあります。また、レポーをある程度書き終えた後に、①接続表現を用いた文の展開、②見やすい表記法、③和語より漢語を用いる、④あいまいな文の回避、⑤適切な語順、⑥パラグラフライティング、⑦事実と意見の区別、といった、これまでの授業で学んできたライティングのスキルをチェックするためには、第三者の目線でレポートを読んでもらう添削作業も有効です。
こうしたニーズやミッションに対応するため、日本文化学科では7月後半から8月中旬にかけて、「第二期ライティングセンター」を開設しています。
初日にやってきた学生さん2名は、アニメの研究をしたいということで、一人は方言を使うキャラクターがステレオタイプ的に描かれていないかどうか、もう一人は、「サザエさん」でカツオくんがお説教されるシーンでの暴力表現に時代ごとの変化がみられるか、というテーマでした。
例えば、東北弁を使うキャラクターはおとなしくて純朴、関西弁を使うキャラクターはちゃっかりもの、沖縄弁を使うキャラクターは時間にルーズ、といった描かれ方がされていないか、そこに差別的なまなざしは感じないか、というテーマで調べたいそうですが、方言のキャラクターが出てくるアニメを探すのが意外に難しい! この日は、チューターさん2名がたまたまアニメ好き、ということもあって、「ハイキュー」とか「黒子のバスケ」とか、全国大会が描かれるようなアニメだと結構出てくるかも!、というアドバイスがありました。
もう一人の「サザエさん」を研究したいという学生さんからは、お説教シーンで描かれる暴力をどうカウントするか、げんこつ以外の暴力行為にはどのようなものがあるか、という相談がありましたが、言葉の暴力もあるよね?、「馬鹿もん!」も暴力かな?、「こら!」などの威嚇するような言葉はどう?、お仕置きとして物置に閉じ込めるのは暴力?、などこちらもいろいろなアイディアがどんどんでてきて、相談に来た学生さんもレポーを書くのがますます楽しみになった様子でした。
また別の日に相談にやってきた学生さんのテーマは、「不倫をテーマにした歌謡曲のイメージの変遷」。
1980年代には「不倫ブーム」があったと聞いたことがあるので、もしかするとその時代の歌謡曲には不倫を美化するような、または、肯定するような歌詞が多く、2000年代以降はコンプライアンスの関係もあるので、不倫を美化せず、罪悪感をもって描かれるのではないか、という仮説を立てることにしたそうですが、どのような表現があれば美化しているとみなすのか、という点がなかなか定まりません。
チューターさんと話し合った結果、美化しているかどうか、を、特定の表現を用いてカウントする方法ではなかなかうまくいかなさそうなので、AIテキストマイニングの手法を使って、1980年代の不倫を描いた歌謡曲と、2000年代以降の歌謡曲の歌詞に出てくる頻出語を調べ、出てくる言葉に違いはないか、「吐息」「白い」「バラ」「会いたくて」「ダーリン」「ときめく」「Fallin Love」など、1980年代の方が、キラキラした単語が多く出てくるのではないか、ということを調べてみよう、ということになりました。
他にも、男性作詞家と女性作詞家ではイメージが異なるか?、演歌とポップスではイメージが違うのではないか?、男性が結婚していて女性が巻き込まれる場合と、女性が結婚していて男性が巻き込まれる場合とではイメージが違うのか、そもそも1980年代の不倫ソングは、男性が妻帯者で若い女性が巻き込まれるケースがほとんどなのでは?、というような面白い疑問が次々と出てきて、話し合いも大いに盛り上がりました。
不倫ブームがあった割には、1980年代の不倫ソングは意外に少なくて、学生たちがこの日、集められたのは以下の11曲でした。
「ロンリー・カナリア」(柏原芳恵)
「ホテル」(島津ゆたか)
「つぐない」「愛人」「時の流れに身をまかせ」(テレサ・テン)
「真珠のピアス」「TUXIDO RAIN」(松任谷由実)
「越冬つばめ」(森昌子)
「天城越え」(石川さゆり)
「恋におちて」(小林明子)
「駅」(中森明菜・竹内まりや)
「Missing」(久保田利伸)
「不倫」と言えばテレサ・テンだけど、3曲もあるとさすがに結果が偏りそう…、演歌とポップスに分けて分析をしたいけど、ポップスで不倫を描いているものが意外に少ない…、「他人の関係」と「シンデレラ・ハネムーン」は残念ながら1970年代...、ヒデキの「ブルースカイブルー」も70年代かぁ...、といった新しい悩みも出てきてしまって、実はまだ解決ができていません。
2000年代以降の不倫をテーマにした歌謡曲はたくさんネットで情報を拾えたのですが、ブログをご覧の方で、もし1980年代の歌謡曲で不倫を描いているポップス、または演歌をご存じの方は、Xやフェイスブックのコメント欄で教えていただけると嬉しいです!
これまでの授業の中で、クラスごとに決まっている大きなテーマの下で、「問い」を考え、「仮説」を立て、その「検証方法」を考える作業を行ってきました。テーマの決定時期にあたる6月には、ライティングセンターを開設して、3・4年生のチューターの学生の指導を受けつつ、いよいよレポートの執筆作業に入ることにありました。
が、いざレポートを書こうとすると、当初計画していた仮説の検証方法ではいろいろと不都合な部分が出てくる場合もあります。また、レポーをある程度書き終えた後に、①接続表現を用いた文の展開、②見やすい表記法、③和語より漢語を用いる、④あいまいな文の回避、⑤適切な語順、⑥パラグラフライティング、⑦事実と意見の区別、といった、これまでの授業で学んできたライティングのスキルをチェックするためには、第三者の目線でレポートを読んでもらう添削作業も有効です。
こうしたニーズやミッションに対応するため、日本文化学科では7月後半から8月中旬にかけて、「第二期ライティングセンター」を開設しています。
初日にやってきた学生さん2名は、アニメの研究をしたいということで、一人は方言を使うキャラクターがステレオタイプ的に描かれていないかどうか、もう一人は、「サザエさん」でカツオくんがお説教されるシーンでの暴力表現に時代ごとの変化がみられるか、というテーマでした。
例えば、東北弁を使うキャラクターはおとなしくて純朴、関西弁を使うキャラクターはちゃっかりもの、沖縄弁を使うキャラクターは時間にルーズ、といった描かれ方がされていないか、そこに差別的なまなざしは感じないか、というテーマで調べたいそうですが、方言のキャラクターが出てくるアニメを探すのが意外に難しい! この日は、チューターさん2名がたまたまアニメ好き、ということもあって、「ハイキュー」とか「黒子のバスケ」とか、全国大会が描かれるようなアニメだと結構出てくるかも!、というアドバイスがありました。
もう一人の「サザエさん」を研究したいという学生さんからは、お説教シーンで描かれる暴力をどうカウントするか、げんこつ以外の暴力行為にはどのようなものがあるか、という相談がありましたが、言葉の暴力もあるよね?、「馬鹿もん!」も暴力かな?、「こら!」などの威嚇するような言葉はどう?、お仕置きとして物置に閉じ込めるのは暴力?、などこちらもいろいろなアイディアがどんどんでてきて、相談に来た学生さんもレポーを書くのがますます楽しみになった様子でした。
また別の日に相談にやってきた学生さんのテーマは、「不倫をテーマにした歌謡曲のイメージの変遷」。
1980年代には「不倫ブーム」があったと聞いたことがあるので、もしかするとその時代の歌謡曲には不倫を美化するような、または、肯定するような歌詞が多く、2000年代以降はコンプライアンスの関係もあるので、不倫を美化せず、罪悪感をもって描かれるのではないか、という仮説を立てることにしたそうですが、どのような表現があれば美化しているとみなすのか、という点がなかなか定まりません。
チューターさんと話し合った結果、美化しているかどうか、を、特定の表現を用いてカウントする方法ではなかなかうまくいかなさそうなので、AIテキストマイニングの手法を使って、1980年代の不倫を描いた歌謡曲と、2000年代以降の歌謡曲の歌詞に出てくる頻出語を調べ、出てくる言葉に違いはないか、「吐息」「白い」「バラ」「会いたくて」「ダーリン」「ときめく」「Fallin Love」など、1980年代の方が、キラキラした単語が多く出てくるのではないか、ということを調べてみよう、ということになりました。
他にも、男性作詞家と女性作詞家ではイメージが異なるか?、演歌とポップスではイメージが違うのではないか?、男性が結婚していて女性が巻き込まれる場合と、女性が結婚していて男性が巻き込まれる場合とではイメージが違うのか、そもそも1980年代の不倫ソングは、男性が妻帯者で若い女性が巻き込まれるケースがほとんどなのでは?、というような面白い疑問が次々と出てきて、話し合いも大いに盛り上がりました。
不倫ブームがあった割には、1980年代の不倫ソングは意外に少なくて、学生たちがこの日、集められたのは以下の11曲でした。
「ロンリー・カナリア」(柏原芳恵)
「ホテル」(島津ゆたか)
「つぐない」「愛人」「時の流れに身をまかせ」(テレサ・テン)
「真珠のピアス」「TUXIDO RAIN」(松任谷由実)
「越冬つばめ」(森昌子)
「天城越え」(石川さゆり)
「恋におちて」(小林明子)
「駅」(中森明菜・竹内まりや)
「Missing」(久保田利伸)
「不倫」と言えばテレサ・テンだけど、3曲もあるとさすがに結果が偏りそう…、演歌とポップスに分けて分析をしたいけど、ポップスで不倫を描いているものが意外に少ない…、「他人の関係」と「シンデレラ・ハネムーン」は残念ながら1970年代...、ヒデキの「ブルースカイブルー」も70年代かぁ...、といった新しい悩みも出てきてしまって、実はまだ解決ができていません。
2000年代以降の不倫をテーマにした歌謡曲はたくさんネットで情報を拾えたのですが、ブログをご覧の方で、もし1980年代の歌謡曲で不倫を描いているポップス、または演歌をご存じの方は、Xやフェイスブックのコメント欄で教えていただけると嬉しいです!