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日本文化学科のブログ

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【図書館学担当の山口先生の書評が専門誌に掲載されました】

先生も頑張ってます
日本文化学科で図書館情報学の授業や卒業研究の指導を担当している山口先生。日本図書館協会の図書館の自由委員会委員も長く勤めていますが、同じく図書館の自由委員を務める小南理恵先生のご著書の書評を専門誌『図書館界』(2025年3月号)に寄稿しました。

書評として取り上げたのは、小南先生の博士論文をもとに構成された『「読書の自由」の成立史:1950年代アメリカの図書館員と出版社』(春風社,2024)です。

本書は、アメリカ図書館協会(以下、ALA)とアメリカ出版会議(現在のアメリカ出版社協会)による、知的自由に関する中核的文書の中の1つである「読書の自由」声明(Freedom to Read Statement)の成立経緯や採択後の社会的な反響を追いながら、その過程において、図書館界と出版界が双方の課題共有に向けてどのような協同関係にあったのかを明らかにしようとする一冊です。「読書の自由」という考え方がアメリカの図書館界においてどのように成立したかを追いかける内容ですが、ここ数年、アメリカの図書館界において大きな関心事となっている、性的マイノリティ(LGBTQ+)や有色人種によって書かれた、あるいはこれらのテーマを扱った書籍への検閲要請という問題をどうらえるか、読書の自由に対するまざざしを過去から学び取るための、現代的な価値をもつ一冊でもあります、と山口先生。



図書館学を学ぶ上で、基盤となる「図書館の自由」「読書の自由」「知る自由」という考え方を深く学ぶ上で大切な一冊となっていますので、図書館学に関心のある在学生、新入生の皆さんも、書評とあわせて是非ご覧ください。